おしっこはできるのにうんちは外にしてしまう原因とは?
飼い猫で何年も上手にトイレで排泄できていたのに、突然粗相してしまうようになる猫は意外に多いそうです。
1割近くの飼い猫が急にトイレでしなくなってしまうのには原因があります。
病気の可能性
おしっこがトイレでできない場合は、膀胱炎や腎臓病、猫下部尿路疾患、肝臓病などが考えられます。おしっこだけできて、うんちを粗相してしまう場合も同様に病気の可能性があるので、早めに病院で診てもらうほうがいいでしょう。おしっこができている猫であれば元気な子が多いようですが、体調が急変することもあるので注意してください。
高齢による影響
うんちをするときは足腰に負担がかかります。高齢になってくるとトイレで踏ん張るのが辛くて粗相してしまうということも。布団の上やカーペットの上、マットや洗濯物の上など、柔らかいものの上にする場合は、足腰の負担が影響している可能性があります。
また、高齢になってくると糞切れが悪くなって、お尻にうんちを付けたまま飛び出してしまったり、トイレにたどり着く前に排泄してしまったりということもあります。そういった状態だと猫自身、気持ちが悪くて走り出してしまうことも。部屋中にうんちが飛び散ってしまうことがあるので、老猫の粗相の場合は早めに気に入るトイレを確保してあげましょう。
トイレが汚い
猫はとてもキレイ好きなため、少し汚れているだけでも嫌がることがあります。今まではよかったのになんで?という場合は、今まで猫が我慢して使っていてくれたのかもしれません。
排泄するときにトイレ縁に手を置いて、後ろ足をつま先立ちのようにして排泄する場合は汚れが気になっている可能性が高いでしょう。他にも、トイレから飛び出るような形で出てくる猫や、排泄後に空中をカキカキするような動きをする場合も汚れを気にしている可能性があります。新しい砂に変えてあげたり、トイレ本体を新しく変えてあげたりして様子を見てみましょう。急に新品になると、ニオイが違って嫌がる場合もあります。古いトイレは残したまま、新しいトイレを設置し、時間をかけて慣れさせましょう。新しいトイレに慣れてから古いトイレを撤去すると上手く入れ替えができるかもしれません。
トイレの配置が気に入っていない
粗相をするようになるタイミングの前に、部屋の模様替えや引越しなどでトイレの配置を変えていませんか?
以前に比べてトイレが落ち着かない環境になってしまって、ストレスや緊張から粗相していることも。おしっこする分には短時間でささっと終わらせられますが、うんちをゆっくりしたいのに不安や緊張のある場所ではなかなか落ち着いてできません。人が行き来する場所の場合はひと気の少ない場所にうつして、落ち着て排泄できる環境を整えてあげましょう。
精神的なストレスや甘え
新しい猫が増えたり、赤ちゃんが増えたり、引越しなどで環境が変化している場合や、他事が忙しくて猫の扱いが乱雑になってしまっている場合に、わざと粗相してアピールすることがあります。
ほとんどの猫は騒がしい環境が苦手なため、赤ちゃんの泣き声や子猫の鳴き声にストレスを感じているかもしれません。今まで猫にべったりだった飼い主が、他事に夢中になってしまうと、猫もさみしがります。構ってほしいというアピールから、うんちを別の場所でしていることもありますので、猫に過度のストレスが溜まっていないか、最近ちゃんと遊んであげられているか見直してみるといいでしょう。
粗相してしまうときの対策
粗相してしまったときの対策をご紹介します。一般的なものから最終手段までありますので、猫の粗相レベルに合わせて試してみてください。
猫砂の見直し
猫砂の種類はたくさんあるので好みを見つけてあげると、喜んでトイレに排泄するようになるかもしれません。猫によっては高齢になってきて指の間に挟まる感覚が嫌になる猫もいます。砂からペットシーツに変えるだけで粗相がなくなる場合もあるので、砂の見直しをしてみるといいでしょう。
また、砂の量やニオイが気に入らない場合もあります。少なすぎる・多すぎる、香りが強い・排泄したニオイが残っているなど、猫にも好みがあるので、1週間おきに変えてみて様子を見てください。トイレ砂を掃除するときに、古い砂の上に新しい砂を追加している場合は一度全て新しい砂にしてみるのもありです。残ったニオイが気に入らない場合に効果的ですので、ぜひ試してみてください。
ただ、頻繁に種類を変えすぎるのもストレスになってしまうので注意しましょう。
掃除のタイミングを増やす
1日に1回の掃除で一般的には問題ありませんが、多頭飼いの場合は掃除回数を増やす必要があります。トイレ本体部分も月に1~2度洗えば十分ですが、発情期のおしっこはニオイがきついので、回数を増やして洗ってあげましょう。
粗相したときの床やマットはすぐにキレイにしているという場合は、トイレも排泄後すぐに掃除してみてください。単純に汚れたトイレにしたくないという場合もあるかもしれません。トイレの外でしたほうが、すぐにキレイにしてくれると覚えてしまったのかもしれません。
トイレの量・サイズを変える
猫1匹に対してトイレ1台あれば十分ですが、2つに増やすことで粗相が軽減する場合もあります。粗相する場所がいつも同じ場所であれば、おしっこはコッチ、うんちはコッチと分けているかもしれません。粗相しやすい場所にトイレを設置できる場合は増やしてあげましょう。
また、トイレのサイズが合っていないと粗相してしまうこともあります。子猫のころは上手にできていたトイレが成猫になって粗相するようになったのであれば、サイズアップを検討してみてください。トイレのサイズが小さくて砂をガシャガシャ掘れない、圧迫感がある、落ち着かない、理由は色々あると思います。大きめの収納用ボックスをトイレに変えたら落ち着いたという声もありますが、大きいので設置が難しいという声も。大きければいいというわけではありませんので、猫の体長から1.5倍くらいを目安にサイズアップを検討してみるといいでしょう。
ごはん皿を置く
ごはんとトイレの場所を分けたがる猫の習性を利用して、粗相した場所に普段から使っている食器を置くのも効果的です。ごはんの場所を変えることによるストレスはあるかもしれませんが、食器の近くには排泄しなくなるでしょう。食器を置けない場所の場合は、ドライフードを数個置いておくだけでもいいかもしれません。置いたらすぐに食べてしまうという場合は、みかんネットや出汁パックのような袋に入れて置いておくと食べすぎ防止になりますよ。
この対処法では食べ物の近くでは粗相しなくなるだけで、他の場所でするようになってしまう場合も。根本の解決にはなっていないので、日々猫の行動をよく観察して原因解決に努めましょう。
猫除けビックリスプレーを使う
猫除けスプレーは野良猫撃退用ですが、近づくと危険ということを理解してくれればその場所での粗相が減るかもしれません。ビックリスプレーは「フマキラー」から販売されていて、エタノールとLPガスを使ったスプレータイプです。2~3mの範囲に猫が近づくと熱感知赤外線センサーが反応して自動でスプレーを噴射します。猫の苦手なにおいや、風、音を使って驚かせて、近寄らないようにさせます。
センサースプレーを使うことで別の場所へ粗相するようになっては本末転倒ですので、粗相してしまう原因をしっかり特定してこの方法は最終手段として使ってください。
人気の猫トイレグッズを紹介!
猫トイレを選ぶ際は、猫の体長×1.5cmが目安です。猫がトイレに入ってクルッと向きを変えて幅に余裕があるとちょうどいいサイズ。40cmくらいの体長なら60cm以上のサイズがベストです。飼い猫特有のおデブ猫ちゃんの場合はもう少し大きめで余裕を持たしてあげると安心して使えます。また、高さにも気を付けてあげましょう。老猫になると高さがあると上るのを嫌がることも。入口の高さが12cm程度のものだと子猫も高齢猫も安心して入れるので猫に合わせた高さをチェックしましょう。
オープン型やハーフドーム型
入口の高さが低めで子猫も老猫も入りやすいのが特徴です。飼い主としては砂が飛び散りやすいので掃除が大変ですが、猫の気持ちを優先したらオープン・ハーフ型トイレがおすすめ。
このタイプは排泄後すぐに気づきやすく、取り外しが簡単で洗いやすいというメリットもあるので、掃除回数が多い場合にうってつけです。きれい好きな猫にも喜ばれるでしょう。
ドーム型や筒型
深めの構造で砂の飛び散り防止やニオイが出にくいようになっているため、リビングや寝室にも置きやすいタイプです。ただ、心配性の猫は深めのトイレを気に入るまで時間がかかるかもしれません。1度は入れば安心して使ってくれますが、入るのを嫌がる猫もいるので注意が必要です。
このタイプはもう1点、懸念点があります。排泄後すぐに気づきにくく、定期的に覗き込まないと汚れているかわからない点です。汚れが溜まっていると粗相してしまうので気を付けましょう。
自動ネコトイレ
猫を飼っていると1度はあこがれる自動トイレ。猫が排泄したら自動で掃除してくれるという優れものです。スマホから操作できてトイレの回数や滞在時間などを記録してくれるので、健康チェックを細かくしたい方におすすめ。数日に1度ごみの処理すればいいので、こまめに掃除ができない人でも安心してきれいなトイレを保ってあげられます。お値段は3~10万円ほどするので購入をためらう方も多いのではないでしょうか。中古商品も出ていますが、猫はニオイに敏感なので他の猫のにおいがついていると嫌がる可能性があります。使ってくれないかもしれないことを念頭に入れて購入を検討しましょう。